春になると美しく咲き誇る「桜(さくら)」。お花見の象徴として多くの人に親しまれていますが、「桜の木って、さくらんぼがなるの?」と疑問に思ったことはありませんか?
実は桜には実がなる品種と、ならない品種があるのです。この記事では、桜とさくらんぼの関係や、実のなる品種の特徴、観賞用の桜との違いについて、詳しく解説します。
桜にさくらんぼはなるの?
結論から言うと、桜の中にはさくらんぼ(サクランボ)がなる品種があります。しかし、私たちが春に見かけるソメイヨシノなどの観賞用の桜には、基本的に実はなりません。仮に実がついても、とても小さくて酸っぱく、食用には適していません。
さくらんぼがなる「実桜(みざくら)」とは?
私たちがスーパーなどで見かける果物の「さくらんぼ」は、主に以下のような品種から収穫されます:
セイヨウミザクラ(西洋実桜) → 学名:Prunus avium。ヨーロッパ原産で、果実が大きくて甘いのが特徴。 スミミザクラ(酸実桜) → 学名:Prunus cerasus。やや酸味が強く、ジャムや加工品に向いています。 シナミザクラ(支那実桜) → 中国原産で、東アジアの一部で果実用に栽培されています。
これらの桜は花よりも果実の収穫が目的で育てられており、「実桜(みざくら)」と呼ばれます。日本で有名な「佐藤錦」などのブランドさくらんぼは、これらの実桜から収穫されたものです。
観賞用の桜との違いは?
観賞用の桜の代表格が「ソメイヨシノ」です。こちらは日本全国の公園や学校などに植えられており、春の風物詩として親しまれています。
観賞用の桜の特徴
花が大きく、開花が揃いやすい 果実は小さくて食べられない 接ぎ木で増やされるため遺伝的に同じ個体が多い
実桜はの特徴
花は比較的小さめ 果実が大きく甘い 果実の収穫を目的に栽培される
このように、目的が「花を楽しむ」のか「果実を収穫する」のかで、桜の種類や特徴は大きく異なります。
家庭でさくらんぼを育てるには?
「さくらんぼを自分で育ててみたい!」という方には、鉢植えでも育てやすい矮性(わいせい)品種のセイヨウミザクラなどがおすすめです。ただし、実をつけるには受粉のために異なる品種を2本以上植える必要がある場合もあるので、園芸店などで事前に確認しましょう。
まとめ
桜とさくらんぼは、どちらも「サクラ属」に分類される植物ですが、観賞用と果実用では大きな違いがあります。
春に咲くソメイヨシノの木にさくらんぼはなりませんが、セイヨウミザクラなどの実桜には、あの甘くて美味しいさくらんぼが実るのです。
花を楽しむもよし、実を収穫するもよし。桜の奥深い世界を、ぜひ身近に感じてみてください。
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