2025年7月30日(米国時間)に公表された最新のFOMC(連邦公開市場委員会)議事録では、政策金利の据え置きが決定され、市場関係者の注目を集めました。この記事では、議事録の要点をわかりやすく解説し、今後のアメリカの金融政策の見通しについて整理します。
目次
金利は5会合連続で据え置き、4.25〜4.50%を維持
- フェデラルファンド金利は4.25〜4.50%のレンジで据え置き
- 9対2の賛成多数で決定
- 反対票を投じたのは、ウォラー理事とボーマン理事。両名は「早期の利下げが必要」と主張
パウエル議長の発言と政策スタンス
パウエル議長は「インフレ抑制を最優先とする」と改めて明言。労働市場の鈍化よりも、インフレの持続リスクを重視する姿勢を示しました。
議事録の主な内容
- 金融政策戦略の再評価が議論の中心
- 長期的なインフレ期待の安定維持を強調
- 平均インフレ目標(AIT)よりも柔軟なインフレターゲット方式を支持する声が多数
- 量的引き締め(QT)は5億ドルに減速。市場への影響を配慮
経済の現状と今後の見通し
- 2025年Q2のGDP成長率は年率3.0%前後と予測以上の回復
- ただし、成長の主因は輸入減少による影響であり、基調は慎重視
- 9月以降の利下げ予測は後退。CME FedWatchでは50%を下回る
マーケットの反応
- S&P500は小幅下落、債券利回りは低下
- ドルはやや堅調に推移
- インフレ懸念が後退しない限り、大幅な緩和は見送りの公算
まとめ:FOMCの焦点は「インフレ抑制と持続可能な政策運営」
今回のFOMCでは、利下げを急がず、インフレ動向と経済指標を見極める慎重な姿勢が確認されました。政治的な圧力や内部の対立も垣間見える中、FRBは「安定的な物価」と「持続可能な成長」の両立を模索しています。
今後の注目点
- 8月〜9月の雇用統計やCPI(消費者物価指数)
- パウエル議長の講演やジャクソンホール会議の発言内容
- 大統領選に絡む財政政策とインフレへの影響
引き続きFOMCの動向から目が離せません。次回の政策発表は2025年9月17〜18日に予定されています。
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