日本の最北端・最南端・最東端・最西端──地点・特徴・アクセス・訪問の可否を詳説

日本について

日本には「最北端・最南端・最東端・最西端」の“公式”な地点があります。これらは「領土としての四端」と「一般向けに訪問しやすい四端」が存在する点が特徴です。本記事では各地点の位置(座標)、現況(領有・実効支配の有無)、訪問の可否、観光上の見どころや注意点まで詳しく解説します。

1. 領土としての「四端」──公式に定義される地点

最北端(領土として) — 択捉島(カモイワッカ岬)

  • 地点名:択捉島(えとろふとう)・カモイワッカ岬
  • 座標(概略):北緯 約45°33′
  • 行政区分:日本(北海道)とされるが実効支配はロシア
  • 現況:ロシアが実効支配しており、一般の日本人が自由に訪問することはできません。
  • 特徴:北方領土の一部。険しい海岸線と寒冷な気候が特徴で、歴史的・国際問題として重要な地点。
  • 訪問可否:不可(一般観光客は立ち入れない)

※歴史的・政治的背景により領有問題が未解決のため、旅行情報やアクセスは存在しません。

最南端(領土として) — 沖ノ鳥島(おきのとりしま)

  • 地点名:沖ノ鳥島
  • 座標(概略):北緯 約20°25′
  • 行政区分:東京都小笠原村(日本最南端の領土)
  • 現況:面積が非常に小さく、波浪や台風で日常的に浸食の危険がある
  • 特徴:珊瑚礁に囲まれた極小の砂州・岩礁で、日本の排他的経済水域(EEZ)を拡張する重要な地点
  • 訪問可否:通常は立ち入り不可(特別な許可が必要)

※国は護岸整備等を行い島の存在を維持していますが、一般観光地ではありません。

最東端(領土として) — 南鳥島(みなみとりしま / Marcus Island)

  • 地点名:南鳥島(マーカス島とも呼ばれる)
  • 座標(概略):東経 約153°59′(日本の最東端)
  • 行政区分:東京都小笠原村
  • 現況:気象観測や自衛隊関連の施設があり、一般の立ち入りは制限される
  • 特徴:太平洋上の孤島で、日本の領海・EEZに重要な役割を持つ
  • 訪問可否:原則不可(立入制限あり)

最西端(領土として) — 与那国島(西崎 / いりざき)

  • 地点名:与那国島・西崎(いりざき)
  • 座標(概略):東経 約122°56′(日本の最西端)
  • 行政区分:沖縄県八重山郡与那国町
  • 現況:有人島で観光・生活がある。台湾に最も近い日本の島の一つ(約111km)
  • 特徴:最西端の碑や夕日スポット、海底遺跡のダイビングスポットなどが観光名所
  • 訪問可否:可能(観光可)

2. 一般向けに訪問できる「有人島ベースの四端」

「領土としての四端」は立入制限がある場合も多いため、旅行者や観光客が一般に訪ねる“本土・有人島ベース”の四端を下記にまとめます。

本土の最北端 — 宗谷岬(北海道稚内市)

  • 特徴:日本本土(北海道)で最も北にある岬。観光地として整備され「最北端の碑」がある。
  • アクセス:稚内空港からバス/車で約40〜60分。稚内からの路線バスやレンタカーを利用可能。
  • 観光情報:晴天時は広い海原とサハリン方面を眺められる。夏は涼しく、冬は厳寒。

有人島ベースの最南端 — 波照間島(沖縄県 八重山郡)

  • 特徴:日本の有人島としての最南端。美しいビーチと星空(星の観測スポット)で有名。
  • アクセス:石垣島からフェリー(高速船)で約1〜2時間(便により異なる)。
  • 観光情報:ニシハマ(美しい砂浜)や「日本最南端の碑」が人気。観光シーズンは夏〜秋。

本土の最東端 — 納沙布岬(北海道根室市)

  • 特徴:東へ突出した岬で、北方領土(国後島など)を望む展望スポットがある。
  • アクセス:根室市中心から車で約30分〜1時間、観光バスあり。
  • 観光情報:晴天時には水平線の広がりが美しい。冬場は強風・寒波に注意。

有人島ベースの最西端 — 与那国島(西崎)

  • 特徴:与那国島の西端「西崎(いりざき)」は最西端の碑があり、夕日スポットとして有名。
  • アクセス:那覇や石垣島経由で飛行機、石垣からの直行便あり。島内はレンタカーやレンタサイクルで観光。
  • 観光情報:海底遺跡ダイビング、与那国馬、地元の文化(八重山文化)などを楽しめる。

3. 訪問時の注意点・旅行のヒント

  • 立入制限の確認:南鳥島・沖ノ鳥島・択捉島(北方領土)などは原則立入不可です。旅行前に必ず最新情報を確認してください。
  • 天候の影響:特に北端・南端の離島は台風・荒天・強風で欠航・欠便が発生します。フライト・船の運行情報に注意。
  • 交通手段:本土の岬はレンタカーや路線バスが便利。離島は航空便または定期船を利用。便数が少ない地域では事前予約が必須。
  • 宿泊:与那国や波照間など人気の離島は宿泊施設が限られるため、ピーク時は早めの予約を推奨。
  • 文化・マナー:離島では地域の生活文化や自然環境を守る配慮が大切。ゴミの持ち帰りや海洋保全への配慮を心掛けましょう。

4. まとめ(早見表)

端地点(代表)座標(概略)訪問可否備考 最北端(領土)択捉島(カモイワッカ岬)北緯 約45°33′不可北方領土:実効支配はロシア 最南端(領土)沖ノ鳥島北緯 約20°25′不可(原則)珊瑚礁の小島、護岸事業あり 最東端(領土)南鳥島東経 約153°59′不可(原則)気象・自衛隊の拠点がある 最西端(領土)与那国島(西崎)東経 約122°56′可有人島で観光可能

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