「フランスはアフリカの旧植民地国から通貨制度を通じて50%もの手数料を取っている」
このような話を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、フランスが50%の“手数料”を徴収しているという事実はありません。
しかし、その背景にはCFAフランと呼ばれる通貨制度があり、これが「搾取ではないか」と長年批判されてきたのも事実です。
CFAフランとは何か
CFAフランとは、フランスの旧植民地であるアフリカ諸国を中心に使われてきた通貨制度です。
- 西アフリカ8カ国
- 中央アフリカ6カ国
合計14カ国が、フランスと協定を結び、この通貨制度を採用してきました。
独立後も制度が維持されたため、「新植民地主義の象徴」として批判されることが多くなりました。
「50%」の正体とは?
よく言われる「50%」とは、手数料ではなく外貨準備の預託義務を指しています。
CFAフラン制度では、加盟国の中央銀行は次の義務を負っていました。
- 保有する外貨準備の50%をフランス国庫の特別口座に預ける
- 見返りとして、CFAフランのユーロとの固定為替と交換保証を受ける
つまり、この50%はフランスが取り上げるお金ではなく、加盟国自身の資産です。
なぜ「50%の手数料を取られている」と誤解されるのか
この制度が「搾取」と表現される理由は、主に以下の点にあります。
① 外貨準備を自由に使えない
外貨準備の半分をフランス側に預けるため、
教育・医療・インフラ投資などに即座に使えないという問題がありました。
② 利子が非常に低い
預けた外貨準備には利子が支払われていましたが、その利率は低く、
インフレを考慮すると実質的な利益はほとんどないと批判されてきました。
③ 金融主権の制約
自国通貨でありながら、
- 為替政策
- 金融政策
- 通貨発行の自由度
が大きく制限されており、「独立国として不自然だ」という声が強まりました。
フランスが直接「儲けている」のか?
重要なポイントとして、
- フランスが50%を没収している事実はない
- 加盟国のお金を勝手に使っているわけではない
という点は押さえておく必要があります。
ただし、フランスが制度設計上、優位な立場にあったこと、
そしてアフリカ諸国の経済的自由度を制限してきたことは否定できません。
近年の改革と現在の状況
2019年以降、西アフリカ諸国では次のような改革が進められています。
- 外貨準備50%のフランス預託義務を廃止
- CFAフランから新通貨「ECO」への移行構想
これは通貨主権を取り戻す動きとして評価されています。
一方、中央アフリカ地域では依然として議論が続いています。
まとめ:50%手数料説の真実
- 「50%の手数料をフランスが取っている」という話は誤解
- 実際は外貨準備の50%を預ける制度が存在していた
- 制度は通貨安定をもたらす一方、主権制約として強く批判された
- 現在は多くの国で改革・見直しが進行中
CFAフラン問題は、単なる「搾取か否か」ではなく、
通貨の安定と主権のどちらを重視するかという難しいテーマでもあります。

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