歴代総理大臣の評価は、その時代背景によって大きく左右されます。ここでは、戦後復興期・高度経済成長期・平成以降の3つに分けて、識者アンケートや世論で評価の高い総理大臣を整理し、特徴を比較します。
戦後復興期(1945〜1960年代前半)
- 吉田茂(第45・48〜51代) 占領期から独立回復までのリーダー。講和条約、日米安保条約、戦後憲法体制の基盤づくりに大きく貢献。
- 鳩山一郎(第52〜54代) 戦後の自主外交を推進し、日ソ国交回復を実現。戦後政治の方向性を模索した総理。
- 池田勇人(第58〜60代) 「所得倍増計画」で高度成長を加速させ、国民生活の水準向上に寄与。
高度経済成長期〜安定成長期(1960年代後半〜1980年代)
- 佐藤栄作(第61〜63代) 沖縄返還を実現し、ノーベル平和賞を受賞。長期政権で安定感を示した。
- 田中角栄(第64・65代) 日中国交正常化を実現。「日本列島改造論」による地方整備で実行力を発揮。
- 中曽根康弘(第71〜73代) 行革・国鉄分割民営化など構造改革を断行し、戦後政治の転換点を築いた。
平成以降(1990年代〜現在)
- 小泉純一郎(第87〜89代) 郵政民営化を実現し、「自民党をぶっ壊す」のスローガンで国民的人気を博した。
- 安倍晋三(第90・96〜98代) 憲政史上最長の在任期間。アベノミクス、積極的外交、安全保障政策で存在感を発揮。
- 岸田文雄(第100代〜) コロナ後の安定政権運営、国際外交での一定の評価。ただし歴史的評価はこれから。
まとめ:時代ごとの「理想の総理像」の違い
戦後復興期は「国家の骨格を作る外交・憲法リーダー」、
高度成長期は「経済成長と改革を推進する実行力のあるリーダー」、
平成以降は「国際社会と向き合い、内政の停滞を打破できる改革型リーダー」が求められてきました。
つまり「最も評価される総理大臣」は時代ごとに異なり、国民が求めるリーダー像も変化しているといえます。
コメント