マグニチュードと震度の違いをわかりやすく解説

用語解説

概要

地震に関するニュースや速報でよく出てくる「マグニチュード」と「震度」。どちらも“地震の大きさ”に関する言葉ですが、意味はまったく異なります。本記事では初心者にも分かりやすく、違いと使い分け、実務的な注意点を解説します。

1. マグニチュード(M)とは

マグニチュードは「地震そのものが放出したエネルギーの大きさ」を示す地震学的指標です。地震発生ごとに1つの値が決まり、対数スケールで表されます。

  • 特徴:地震の規模を示す(世界的な共通指標)。
  • 対数の性質:Mが1上がるとエネルギーは約32倍。
  • 種類:Mw(モーメントマグニチュード、現在の標準)、Mj(気象庁マグニチュード)など。

2. 震度とは

震度は「ある地点での揺れの強さ」を示す指標で、地点ごとに異なる値になります。日本の震度階級は0〜7(気象庁基準)で表され、観測点ごとに算出されます。

  • 特徴:地点ごとの体感や建物の揺れを示す。
  • 決定要素:震源の距離、地盤の性質(軟弱地盤は揺れやすい)、建物の構造など。
  • 算出方法:観測された加速度・速度などの地震動から自動算出。

3. よくある誤解:Mと震度は直結しない

「マグニチュードが大きければどこも大きな震度になる」とは限りません。例えば、M8クラスの巨大地震でも、震源から遠い場所では震度3程度にしかならないことがあります。一方、小さめのマグニチュードでも震源直上や軟弱地盤では震度6〜7を記録することがあります。

4. 比較表(簡易)

項目マグニチュード(M)震度 意味地震そのもののエネルギー量地点ごとの揺れの強さ 値の数地震ごとに1つ観測地点ごとに複数 単位対数(単位なし)日本は0〜7の階級 主な影響要因断層の面積・滑り量(発生源の特性)震源距離、地盤、建物構造

5. 実生活でのポイント(防災の観点から)

  1. 速報を見る際:まずはマグニチュード(規模)を確認し、次に自分の地域の震度や自治体の避難情報を確認しましょう。
  2. 居住地の地盤特性を把握:過去の震度分布や液状化リスク、地盤の軟弱性を確認しておくと備えが立てやすいです。
  3. 建物の耐震性を確認:震度5〜7で被害が出やすいので、耐震補強や家具の固定を普段から行っておきましょう。

6. よくあるQ&A

Q. 「マグニチュード8=震度8」ですか? A. いいえ。日本の震度の最大は7ですし、Mと震度は別の指標です。 Q. 震度が高ければ必ず被害が出ますか? A. 震度が高いほど被害リスクは高まりますが、建物の構造や被災対策によって被害の程度は変わります。

まとめ

マグニチュード=地震の“規模”(エネルギー)震度=その地点での“揺れの強さ”。ニュースでどちらも発表されることが多いので、両方の意味を理解して冷静に情報を判断しましょう。

防災情報は常に最新の気象庁・自治体発表を確認してください。

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