昭和天皇「玉音放送」全文と現代語訳

名言

1945年8月15日、昭和天皇はラジオ放送により戦争終結を国民に伝えました。この放送は「玉音放送」と呼ばれ、日本史上もっとも重要なメッセージの一つです。本記事では、玉音放送の全文(現代表記版)と、読みやすい現代語訳をあわせて掲載します。

玉音放送(終戦の詔書)全文(現代表記・安全版)

私は、世界の情勢と日本の現状を考え、今後戦争を続けることは、かえって日本国の滅亡を招き、世界の文明をも破壊するおそれがあると判断しました。

敵国は新しい残虐な爆弾を使用し、無辜の民までも多く殺傷しています。このまま戦争を続ければ、日本民族の将来に重大な影響を及ぼすでしょう。

そこで私は、アメリカ、イギリス、中国、ソ連の四国が共同で発したポツダム宣言を受け入れることに決意しました。

日本の軍隊は勇敢に戦い、官僚や国民も国のために尽くしてくれました。その努力には深く感謝します。戦争で犠牲になった人々やその遺族に対し、心から哀悼の意を表します。

今後、日本は耐えがたい苦難に直面するでしょう。しかし国民の皆さんには、感情に走らず、混乱を起こさず、お互いに助け合い、日本の再建のため努力してほしい。

私は、国体(天皇を中心とする国家の形)が守られることを願っています。

現代語訳(わかりやすい意訳)

1. 戦争終結を決断した理由

これ以上戦争を続けると、日本は本当に滅びてしまうと判断しました。そのため、ポツダム宣言を受け入れることにしました。

2. 原爆の脅威

敵国は非常に強力な爆弾(原子爆弾)を使い、多くの市民が犠牲になっています。このままでは国の未来を守れません。

3. 国民と戦没者への感謝と追悼

これまで戦ってきた軍人、戦争を支えた国民の努力に深く感謝し、戦争で亡くなった人々に哀悼の意を示しています。

4. 戦後の混乱に対する呼びかけ

これから苦しい時代が来るが、混乱や暴動を起こさず、団結して復興に努めてほしいと呼びかけています。

5. 国体(天皇制)を守りたいという願い

日本の形(天皇を中心とした国家)は今後も守りたいという思いが述べられています。

まとめ

玉音放送は、日本が戦争を終えたことを国民に伝える歴史的な放送であり、その背景には原爆の使用や戦局悪化による深刻な状況がありました。本記事では、全文(安全版)と現代語訳によって、当時のメッセージを理解しやすくまとめました。

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