コーポレートガバナンスコードとは
コーポレートガバナンスコード(Corporate Governance Code)とは、企業が健全で透明性の高い経営を行い、 中長期的な企業価値の向上を目指すための基本原則をまとめた指針です。 日本では金融庁と東京証券取引所が中心となって策定し、2015年に導入されました。
法律のような強制力を持つルールではなく、「原則」として企業に対応を求める点が特徴で、 上場企業を中心に幅広く適用されています。
コーポレートガバナンスコードが導入された背景
日本企業は長年、経営の透明性や監督機能の弱さが指摘されてきました。 特に、東芝の不正会計問題やオリンパス事件などの企業不祥事を契機に、 海外投資家からの信頼低下が深刻な課題となりました。
こうした状況を改善し、国際的に通用する企業統治体制を整える目的で、 コーポレートガバナンスコードが導入されたのです。
コンプライ・オア・エクスプレインの原則
コーポレートガバナンスコードの根幹となる考え方が 「コンプライ・オア・エクスプレイン(Comply or Explain)」です。
- 原則を守る(コンプライ)
- 守らない場合は、その理由を説明する(エクスプレイン)
すべての原則を一律に守る必要はありませんが、 守らない場合には投資家に対して合理的な説明責任を果たすことが求められます。
コーポレートガバナンスコードの5つの基本原則
① 株主の権利・平等性の確保
株主の議決権が適切に行使できる環境を整え、 少数株主も含めて公平に扱うことが求められます。 株主総会の形骸化を防ぐことも重要なポイントです。
② 株主以外のステークホルダーとの適切な協働
従業員、取引先、地域社会など、株主以外のステークホルダーとの関係を重視し、 ESG(環境・社会・ガバナンス)への配慮を通じて持続的成長を目指します。
③ 適切な情報開示と透明性の確保
財務情報だけでなく、非財務情報や経営戦略、リスク情報を積極的に開示し、 投資家が合理的な判断を行える環境を整えることが求められます。
④ 取締役会等の責務
取締役会は経営陣を監督する役割を担い、 社外取締役の活用によって意思決定の透明性と客観性を高めることが重要です。
⑤ 株主との対話
企業は株主との建設的な対話を通じて、 経営戦略や方針について相互理解を深めることが求められます。 IR活動の充実も重要な要素です。
社外取締役の役割と重要性
コーポレートガバナンスコードでは、独立した社外取締役の選任が重視されています。 社外取締役は、経営陣から独立した立場で監督を行い、 不正防止や経営判断の質の向上に貢献します。
特にプライム市場では、社外取締役を取締役会の過半数とする企業が増えています。
近年の改訂と最新動向
近年の改訂では、以下の点が特に重視されています。
- 人的資本の情報開示
- サステナビリティ・気候変動への対応
- CEO後継者計画の明確化
- 資本効率(ROE・PBR)への意識向上
これらは、企業が短期的な利益だけでなく、 中長期的な価値創造を行っているかを判断する重要な指標となっています。
まとめ
コーポレートガバナンスコードは、企業に対して 「誰のために、どのような意思決定を行うのか」を明確にすることを求める指針です。
形式的な対応ではなく、実質的なガバナンス強化が行われているかどうかが、 投資家や市場からの評価を大きく左右する時代になっています。

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