韓国・日本大使館建て替え問題とは？背景・原因・現在の状況を徹底解説

韓国・ソウルにある在大韓民国日本国大使館の建て替え計画は、2010年代に始まったものの、現在に至るまで長年にわたり停滞しています。この記事では、その背景、建設が進まない理由、現在の状況、そして今後の展望についてわかりやすく解説します。

建て替え計画の始まり

現在の日本大使館は1976年に建設されたもので、老朽化と業務拡大に対応するため、2012年に新しい大使館の建設計画が立てられました。2015年にはソウル市鍾路区から建築許可を取得し、地下3階・地上6階建ての新館が計画されていました。

2016年に旧館は解体され、大使館機能は近隣のオフィスビルへ仮移転しました。

新館予定地は韓国の伝統的建造物「景福宮」の近くにあるため、建物の高さや景観に関する厳しい制限がありました。文化財庁は当初、景観保護を理由に建設に難色を示しており、日本側との調整に時間を要しました。

韓国では建築許可後1年以内に着工が義務付けられており、着工できない場合は延長申請が必要です。しかし、日本側はこの延長申請を行わなかったため、2019年頃に建築許可が失効しました。

日本大使館前には慰安婦像が設置されており、日本政府は外交関係の観点から撤去を求めています。しかし、韓国市民団体の反対や政治的対立が続いており、両国の外交関係が建設の障害となっています。

2025年時点でも、新館の建設は再開されておらず、敷地は更地のまま放置されています。日本大使館の機能は民間のビルに分散されており、年間数十億ウォンの賃貸料が発生していると報じられています。

韓国の政権交代や日韓関係の変化により、建て替え問題に進展がある可能性もあります。ただし、文化財関連の法律や歴史問題に対する感情的対立も根深く、抜本的な解決には時間がかかると見られています。

項目内容建設計画開始年 2012年建築許可取得 2015年許可失効時期 2019年頃現在の状況更地・仮移転中主な障害文化財規制、歴史問題、許認可調整

日本大使館の建て替え問題は、単なる建築上の問題にとどまらず、日韓間の歴史認識や外交摩擦、文化財保護政策が複雑に絡み合う課題です。今後の政治的リーダーシップと外交交渉の進展が鍵となるでしょう。