2025年2月5日に開かれた衆議院予算委員会では、「省庁別審査」の新制度のもと、内閣府(経済財政政策)、財務省、防衛省が令和7年度予算案について説明を行いました。本記事では、その議事録の要点をわかりやすくまとめます。
目次
省庁別審査とは?
今年度から導入された「省庁別審査」とは、各省庁ごとの予算内容をより詳細に審議する形式で、透明性の向上と政策の深堀りを目的としています。
政府の主な説明内容
経済財政政策(内閣府・赤澤亮正大臣)
- 経済モデル転換期:物価上昇と賃上げの好循環を目指し、「コスト削減型」から「投資・成長型」経済への転換を図る。
- 経済見通し:実質成長率は1.2%程度と想定。プライマリーバランス(PB)の赤字は最小規模に抑える見込み。
財務省(加藤勝信大臣)
- 予算総額:115.5兆円(前年度比約2.97兆円増)。税収は78.4兆円で過去最高。
- 国債発行:新規国債は28.6兆円に減少。ただし国債残高は1,129兆円にのぼり、依然として厳しい財政状況。
防衛省(中谷元大臣)
- 防衛予算:8.66兆円を計上。衛星コンステレーション整備やミサイル防衛などに重点。
- 人員確保と装備強化:待遇改善や装備の維持整備、防衛施設の強靭化を進める。
委員からの質疑・意見
尾崎正直議員(与党)
- 戦略的な予算編成:少子化・防衛・物価などの構造的課題に対し、単年度主義を超えた長期視点の政策を評価。
- 柔軟な予算運営:予見できない事態に対応するため、基金制度の活用やアジャイルなガバナンスの重要性を指摘。
- PB黒字化の課題:目標未達でも、赤字幅の最小化や成長重視の姿勢を継続するよう提言。
まとめ:令和7年度予算の特徴と今後の注目点
今回の予算案は、成長志向と財政健全化を両立しようとする政府の姿勢が色濃く反映されています。今後の焦点は、
- 想定通りの経済成長が実現するか
- 物価と賃金のバランス
- 防衛予算の適切な執行
- 基金活用の透明性と有効性
といった点に集約されます。省庁別審査により、政策の具体性と責任の所在がこれまで以上に明確化されることが期待されます。
※当記事は衆議院の公式議事録(参照元リンクはこちら)を元に作成しています。
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