ドル指数と金・銀が逆相関になる理由とは?貴金属価格との関係を徹底解説

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金(ゴールド)や銀(シルバー)などの貴金属と、ドル指数(DXY)はしばしば逆相関の動きを見せます。この記事では、なぜそのような関係が生まれるのか、投資家として押さえておくべき基本的なポイントをわかりやすく解説します。


ドル指数(DXY)とは?

ドル指数(DXY)は、主要通貨に対する米ドルの相対的な強さを示す指標です。以下の6つの通貨で構成されています:

  • ユーロ(EUR)
  • 日本円(JPY)
  • 英ポンド(GBP)
  • カナダドル(CAD)
  • スウェーデンクローナ(SEK)
  • スイスフラン(CHF)

ドル指数が上昇するということは、米ドルがこれらの通貨に対して強くなっていることを意味します。


なぜ金や銀とドル指数は逆相関になるのか?

1. 貴金属は米ドル建てで取引される

金や銀は国際市場で米ドル建てで価格が決まります。したがって、ドルの価値が変動すると、他国通貨を使う投資家にとっての「割高感」や「割安感」が変わります。

  • ドル高 → 金や銀が割高に見えて需要減 → 価格下落
  • ドル安 → 貴金属が割安に見えて需要増 → 価格上昇

2. 安全資産としての性質の違い

米ドルも金も「安全資産」とされますが、経済情勢によって投資家の資金の逃避先が変わります。

  • 経済が安定 → ドルや株式に資金が流入 → 金は売られる
  • 経済が不安定 → 実物資産である金に資金が集まる → 金価格上昇

3. 米国の金利動向とドルの強さ

米国の金利政策はドル指数にも貴金属価格にも大きな影響を与えます。

  • 金利上昇 → ドルが選好される → 金は利息がないため売られる
  • 金利低下 → ドルの魅力が下がる → 金が買われやすくなる

4. インフレと金融政策の影響

インフレ懸念が高まると、金は「インフレヘッジ」としての価値から買われやすくなります。逆に、FRB(米連邦準備制度理事会)が金利を引き上げてインフレ対策をすると、ドル高が進行し金は売られる傾向にあります。


まとめ:貴金属とドル指数の逆相関メカニズム

要因 ドル高の影響 ドル安の影響 貴金属のドル建て取引 価格が割高に見え、需要減 価格が割安に見え、需要増 安全資産としての選好 ドルに資金集中、金は売られる 金に資金が流入し、価格上昇 金利動向 高金利でドル選好、金は売られる 低金利で金が買われやすい インフレ懸念 ドル高で金価格が抑えられる 金がインフレヘッジとして買われる

このように、金や銀とドル指数は構造的に逆相関しやすい関係にあります。投資判断を行う際には、ドルの動向や金利政策をしっかり把握することが大切です。


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