大学進学を考えるとき、多くの家庭で悩むのが「大学の学費は親が払うべきなのか、それとも本人が奨学金などを利用して払うべきなのか」という問題です。
「子どもの教育なのだから親が負担するのが当然」という考え方がある一方で、「大学は義務教育ではないのだから、自分で進学すると決めた本人が負担するべき」という考え方もあります。
実際の日本では、どちらが多いのでしょうか。
結論から言えば、現在の日本では「親・家庭からの支援が最も大きい」ものの、奨学金やアルバイトなどによって、学生本人も大学生活の費用を負担するケースが多くなっています。
- 大学の学費は誰が払うべきなのか?
- 日本では親と本人のどちらが多く負担している?
- 昔よりも親の負担割合は低下している
- 大学生活には学費以外にもお金がかかる
- 大学生の生活費は年間約200万円
- 国立・公立・私立で負担額は大きく違う
- 「奨学金を使えばいい」という考え方には注意が必要
- 本人が学費を負担するメリット
- 本人に負担させすぎることにも問題がある
- 親が学費を払うことは「甘やかし」なのか?
- 「親が払うべき」とも「本人が払うべき」とも一概には言えない
- 現実的なのは「親+本人+奨学金」の組み合わせ
- 一番避けたいのは「親子で話し合わないこと」
- 大学の学費を親が払うメリットと本人が払うメリット
- これからは「誰が払うか」より「どう負担するか」が重要
- まとめ:大学の学費は親が払うべき?
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大学の学費は誰が払うべきなのか?
大学の学費を誰が負担するべきなのかについて、法律上「必ず親が払わなければならない」という単純なルールがあるわけではありません。
そのため、実際には家庭の経済状況や教育方針によって大きく異なります。
代表的な考え方として、次の3つがあります。
- 親が大学の学費を負担する
- 本人が奨学金やアルバイトなどで負担する
- 親・本人・奨学金などで分担する
現在の日本では、特に3番目の「親・本人・奨学金などで分担する」という形が現実的になっています。
日本では親と本人のどちらが多く負担している?
日本学生支援機構(JASSO)の「令和6年度学生生活調査」によると、大学学部・昼間部の学生の収入に占める割合は、家庭からの支援が約50.7%、奨学金が約21.6%、アルバイト収入が約25.0%となっています。
つまり、大学生のお金の出どころとして最も大きいのは、現在でも家庭からの支援です。
一方で、奨学金とアルバイト収入を合わせると約46.6%になります。
この数字を見ると、現在の大学生は「親がすべて負担している」というより、親の支援を中心にしながら、奨学金やアルバイトなどを組み合わせて大学生活を支えていると考えるのが実態に近いでしょう。
昔よりも親の負担割合は低下している
大学生の経済状況には変化が見られます。
大学学部・昼間部の学生の収入に占める家庭からの支援割合は、以前と比べて低下しています。
- 2018年度:約62.5%
- 2020年度:約63.4%
- 2022年度:約55.8%
- 2024年度:約50.7%
このように、家庭からの支援が占める割合は長期的に低下しています。
その一方で、奨学金やアルバイトなどによって学生自身が負担する割合が大きくなっています。
つまり、日本の大学生を取り巻く環境は、
「親が中心になって負担する」
という形から、
「親+本人+奨学金などで負担する」
という形へ変化していると考えられます。
大学生活には学費以外にもお金がかかる
大学進学に必要なお金というと、授業料を思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし、実際には大学生活には学費以外にもさまざまな費用がかかります。
- 授業料
- 入学金
- 学校納付金
- 教科書・教材費
- 通学費
- 食費
- 家賃
- 光熱費
- 通信費
- 日用品
- 娯楽費
特に大学進学をきっかけに一人暮らしを始める場合、家賃や食費などの生活費が大きな負担になります。
大学生の生活費は年間約200万円
JASSOの令和6年度学生生活調査では、大学学部・昼間部の学生生活費は年間約201.9万円となっています。
ここでいう学生生活費には、学費だけではなく生活費も含まれています。
単純に4年間で考えれば、
約800万円
という非常に大きな金額になります。
もちろん、実際の負担額は大学や学部、自宅通学か一人暮らしかなどによって大きく異なります。
国立・公立・私立で負担額は大きく違う
大学の種類によっても学生生活に必要な費用は変わります。
JASSOの令和6年度学生生活調査では、大学学部・昼間部の年間学生生活費は次のようになっています。 大学の種類 年間学生生活費 国立 約157.7万円 公立 約146.3万円 私立 約216.0万円
特に私立大学では、国立・公立大学と比較して負担が大きくなる傾向があります。
また、医学部や歯学部など、一部の学部ではさらに高額になる場合があります。
「奨学金を使えばいい」という考え方には注意が必要
大学の学費を本人が負担する方法として、代表的なのが奨学金です。
ただし、奨学金には大きく分けて「給付型」と「貸与型」があります。
給付型奨学金
給付型奨学金は、原則として返済する必要がない奨学金です。
経済的な理由などから大学進学が難しい学生にとって、非常に重要な支援制度です。
貸与型奨学金
貸与型奨学金は、卒業後などに返済する必要があります。
そのため、名前は「奨学金」ですが、学生本人にとっては将来返済しなければならない借入金でもあります。
「親が学費を払わなくても、奨学金を借りればいい」と簡単に考えるのではなく、卒業後の返済まで考えて利用する必要があります。
本人が学費を負担するメリット
本人が大学の費用を一部負担することには、メリットもあります。
お金の大切さを学べる
自分で大学生活に必要なお金を負担すると、大学に通うことには大きな費用がかかっているという現実を実感しやすくなります。
自立心が身につく
アルバイトなどによって自分で収入を得て、そのお金を管理する経験は、社会人になってからも役立ちます。
収入と支出を考えたり、貯金をしたりすることで、金融リテラシーを身につけるきっかけにもなります。
親の経済的負担を減らせる
大学の学費や生活費は、家庭にとって大きな負担です。
本人が一部を負担することで、親の経済的な負担を軽減できます。
本人に負担させすぎることにも問題がある
一方で、「大学生なのだから、学費も生活費もすべて自分で払うべき」と考えることにも注意が必要です。
特に貸与型奨学金を大量に利用すると、卒業後に大きな返済負担を抱えることになります。
また、アルバイトをしすぎると、大学生本来の目的である学業に悪影響が出る可能性があります。
- 勉強する時間が減る
- 授業に出られなくなる
- 成績が下がる
- 資格取得などの時間がなくなる
- 就職活動に影響する
大学に通うために働きすぎて、大学で学ぶ時間がなくなってしまっては本末転倒です。
親が学費を払うことは「甘やかし」なのか?
大学の学費を親が負担すると、「子どもを甘やかしているのではないか」と考える人もいるかもしれません。
しかし、必ずしもそうとは言えません。
大学教育を「子どもの将来への教育投資」と考えることもできるからです。
大学で専門的な知識や技術を身につけることで、将来の仕事や収入にプラスの影響が出る可能性があります。
親に十分な経済的余裕があるのであれば、無理に子どもへ借金を負わせる必要があるのか、という考え方もあります。
重要なのは、親が払うことそのものではなく、その家庭にとって無理のない方法を選ぶことです。
「親が払うべき」とも「本人が払うべき」とも一概には言えない
大学の学費について、すべての家庭に当てはまる正解を決めるのは難しいでしょう。
例えば、親に十分な経済的余裕がある家庭と、家計に余裕がない家庭では、当然ながら選択肢が違います。
また、同じ家庭でも、国立大学へ自宅から通う場合と、私立大学へ進学して一人暮らしをする場合では必要な費用が大きく変わります。
そのため、
「誰が払うべきか」ではなく、「家庭の状況に応じて、どう分担するか」
を考えることが重要です。
現実的なのは「親+本人+奨学金」の組み合わせ
現在の日本では、次のような分担方法が現実的です。
親
授業料や入学金など、大学進学に必要な費用の中心部分を負担する。
本人
アルバイトなどによって、食費や交通費などの一部を負担する。
奨学金
親の負担だけでは足りない部分を補う。
ただし、貸与型奨学金については将来の返済額を考慮する必要があります。
一番避けたいのは「親子で話し合わないこと」
大学進学で大きな問題になりやすいのが、親と子どもで学費の負担について十分に話し合わないことです。
例えば、子どもは「大学の学費は親が払ってくれる」と考えているのに、親は「大学に行くなら奨学金を借りて自分で払うもの」と考えているケースです。
このような認識の違いがあると、進学後に大きなトラブルになる可能性があります。
大学進学を決める前に、次のことを親子で確認しておくことが大切です。
- 入学金は誰が負担するのか
- 授業料は誰が負担するのか
- 教科書や教材費は誰が負担するのか
- 一人暮らしの家賃や生活費はどうするのか
- 奨学金を利用するのか
- 利用する場合は給付型か貸与型か
- アルバイトはどの程度するのか
- 貸与型奨学金を利用した場合、卒業後の返済をどうするのか
大学の学費を親が払うメリットと本人が払うメリット
方法 メリット 注意点 親が負担 学生が学業に集中しやすい 親の経済的負担が大きい 本人が負担 自立心や金銭感覚が身につきやすい 学業との両立が必要 給付型奨学金 原則として返済不要 利用条件がある 貸与型奨学金 進学に必要なお金を確保できる 卒業後に返済が必要 親+本人で分担 双方の負担を抑えられる 負担割合について話し合いが必要
これからは「誰が払うか」より「どう負担するか」が重要
大学の学費について、「親が払うべきなのか」「本人が払うべきなのか」という議論は、非常に分かりやすいテーマです。
しかし、本当に重要なのは、その二択ではありません。
「大学教育に必要なお金を、誰が、どのくらい、どのような方法で負担するのが合理的なのか」
という視点が重要です。
例えば、
- 親が100%負担する
- 親が70%、本人が30%負担する
- 親が50%、奨学金が30%、本人が20%負担する
- 給付型奨学金と親の支援を組み合わせる
- 授業料減免と親の支援を組み合わせる
など、さまざまな方法があります。
まとめ:大学の学費は親が払うべき?
日本では現在でも、大学生の費用は親・家庭からの支援が最も大きな割合を占めています。
JASSOの令和6年度学生生活調査では、大学学部・昼間部の学生の収入に占める割合は、家庭からの支援が約50.7%、奨学金が約21.6%、アルバイト収入が約25.0%となっています。
このことから、日本では現在も「大学の費用は親が中心になって負担する」という家庭が多いと考えられます。
一方で、以前と比較すると家庭からの支援割合は低下し、奨学金やアルバイトによって学生本人が負担する割合は大きくなっています。
つまり、大学の学費をめぐる日本の状況は、
「親がすべて払う」から「親・本人・奨学金などで分担する」方向へ変化している
と言えるでしょう。
親に十分な経済的余裕があるなら、親が学費を負担することは決して「甘やかし」ではありません。
一方で、親に経済的な余裕がない場合には、奨学金やアルバイトなどを利用して本人が一部を負担することも必要になります。
ただし、貸与型奨学金は将来の返済負担になります。利用する場合には、借りられる金額ではなく、卒業後に無理なく返済できる金額なのかという視点が欠かせません。
結局のところ、大学の学費について大切なのは、
「親が払うべきか、本人が払うべきか」ではなく、「親子双方が納得し、将来に無理を残さない方法で負担すること」
ではないでしょうか。
大学進学は、子どもの人生にとって大きな投資です。同時に、家庭にとっても数百万円規模の大きな支出になります。
だからこそ、進学を決める段階から親子でお金についてしっかり話し合うことが重要なのです。
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