「禍福は糾える縄の如し(かふくはあざなえるなわのごとし)」とは、
不幸(禍)と幸福(福)は、縄を撚り合わせるように交互にやってくる、つまり人生の幸福と不幸は常に入れ替わり一定ではないという意味を持つことわざです。
良い出来事の後には悪い出来事が起こることもあれば、その逆もあります。
人生は一方向ではなく、幸運と不運が表裏一体でめぐることを表しています。
由来
この言葉は、中国の古典『史記』や『淮南子』に由来します。
古代から「福は災いの中に隠れ、災いは福の中に潜んでいる」とされ、禍福は切り離せない関係と考えられてきました。
縄を撚り合わせるように、幸福と不幸が複雑に絡み合いながら人生を形作っていく、というたとえが用いられています。
類似の言葉
- 人間万事塞翁が馬(じんかんばんじさいおうがうま)
不幸が幸福に転じることもあれば、その逆もあるという故事成語。 - 禍を転じて福となす
災いを逆に利用して幸運に変えるという意味。
どちらも「不幸と幸福はつながっている」という考え方で、「禍福は糾える縄の如し」と近い意味を持ちます。
日常での使い方
例文:
- 「大きな失敗をしたが、その経験が転職で役立った。まさに禍福は糾える縄の如しだ。」
- 「突然のけがで落ち込んでいたが、その間に読書の習慣が身についた。禍福は糾える縄の如しという言葉を実感した。」
現代への示唆
この言葉は、人生の浮き沈みに振り回されない心構えを教えてくれます。
- 不幸が起きても「この後に良いことがあるかもしれない」と前向きに考える
- 幸運に恵まれても「永遠には続かない」と謙虚に過ごす
現代社会でも、予期せぬ出来事や変化に対応するうえで、このことわざは大切な考え方を示しています。
まとめ
「禍福は糾える縄の如し」とは、幸福と不幸は交互にやってきて、絶えず入れ替わるものだという意味のことわざです。
由来は中国の古典にあり、「塞翁が馬」などと同じく人生の無常を教える教えとして、今でも広く使われています。
幸運に驕らず、不運に嘆かず、しなやかに生きる姿勢が大切だと言えるでしょう。
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