献血の保存期間と期限切れ血液の処理方法をわかりやすく解説|使える期間・再利用と廃棄の実態

素朴な疑問

献血に行ったことがある方なら一度は気になる「献血した血ってどれくらい使えるの?」「期限切れの血はどうなるの?」という疑問。ここでは、血液の成分ごとの保存期間(使用期限)と、期限切れになった血液がどのように処理・再利用されるかをわかりやすく解説します。

目次

  1. 血液の成分ごとの保存期間(使用期限)
  2. なぜ血小板は保存できる期間が短いのか
  3. 期限切れ血液の処理・再利用の方法
  4. 安全性確保のための管理体制
  5. よくある質問(FAQ)

血液の成分ごとの保存期間(使用期限)

献血された血液は、用途に応じて分離・加工されます。代表的な成分と保存期間は次の通りです。

成分主な用用途保存温度一般的な使用期限(目安)
赤血球製剤(濃厚赤血球)大量出血や貧血の改善2〜6℃(冷蔵)21日間(採血・添加物により変動)
血小板製剤 血小板減少による出血予防(白血病治療など)20〜24℃(常温・振とう保存)4日間(非常に短い)
血漿製剤(新鮮凍結血漿) 凝固因子の補充、肝疾患・外傷時の補助 −20℃以下(冷凍)1年間(凍結保存)

※上記は一般的な目安です。実際の保存期間は採血方法・保存溶液(抗凝固剤)・血液センターの規程により異なる場合があります。

なぜ血小板は保存できる期間が短いのか

血小板は常温で保存しなければならず、かつ微生物汚染のリスクが高まるため、保存可能日数が短くなります。また、血小板の機能(凝集能)が時間経過で低下する点も理由です。このため血小板は常に安定した供給が求められ、献血の頻度や在庫管理が重要になります。

期限切れ血液の処理・再利用の方法

使用期限を過ぎた血液は「そのまま輸血には使えない」一方で、すべてを無駄に廃棄するわけではありません。使い道と処理方法は主に以下の3つです。

1. 医薬品原料としての再利用

血漿はアルブミンや免疫グロブリンなどの医薬品原料として精製されることがあります。精製工程によって有害な微生物が除かれるため、一定の条件下で期限切れの血漿も原料として利用可能です。

2. 研究・検査用サンプルとしての利用

新しい検査技術の検証、機器の校正、医学研究などに使用される場合があります。研究用途では成分を分析・比較するための有効な素材となります。

3. 廃棄(感染対策のための厳重処理)

再利用が難しい、または安全性が確保できない血液は医療廃棄物として処理され、通常は焼却等の確実な方法で廃棄されます。感染防止の観点から厳格な規則に従って処理されます。

安全性確保のための管理体制

血液は提供から患者に届くまで、多重の検査・管理工程を経ています。代表的な安全策:

  • 感染症検査(HIV、肝炎ウイルスなど)の実施
  • 採血日時・番号によるトレーサビリティ(追跡)
  • 保存温度・期間の厳格な管理
  • 期限切れの分別と用途判定を行う内部ルール

よくある質問(FAQ)

Q1:献血した血液は必ず医療で使われますか?

A:全てが輸血に回るわけではありません。検査や成分分離の結果、医療用として適さない場合は医薬原料や研究用に回すか、廃棄されます。

Q2:自分の献血がどう使われたか知る方法はありますか?

A:個別の輸血先まではプライバシー保護のため追跡できないのが一般的ですが、献血証明や採血番号により採血センターでの処理状況(検査合否など)を確認できる場合があります。詳細は最寄りの献血ルームや日本赤十字社へ問い合わせてください。

Q3:血小板のために頻繁に献血した方が良いですか?

A:血小板の需要は高く、必要に応じて成分献血(血小板中心)への協力はとても助かります。ただし献血可能間隔や健康チェックがありますので、必ず献血センターの指示に従ってください。

まとめ:血液は成分ごとに厳密な使用期限があり、期限切れでも医薬原料や研究用に有効活用されることが多いです。安全が確保できないものは適切に廃棄されます。献血は命をつなぐ大切な行為なので、理解を深めてぜひ継続的な協力をお願いします。

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